01.最初は、ちょっとだけ苦労もすべき
なぜ世の中の企業は『ISOに取り組もう』なんて思うのでしょうか? ISOなんか無くても(とりあえず)会社はちゃんと回っているというのに・・・。
やるならやるでちゃんと本気で取り組まなければ(当然)効果なんて上がるはずもないのですが、たいていのみなさんは『楽をして認証を取ろう!』なんて気持ちが先行してしまって、結果的に(数年後に)『辛い』『面倒な』ISOの仕組みが会社に残ってしまっています。そんな企業がいかに多いことか。最初に手を抜いてしまっているのですから、最終的に『やりたくなくなる』のはごく自然な話です。厳しい話ですが、最初の段階ではあまり甘い(楽をしようという)考えは持たないほうが良いでしょう。
『こんなにシンプルに薄いマニュアルで・・・』『たった半年で・・・』などという、少々うかれた宣伝文句に釣られてコンサルタントを選んでしまって、とりあえず認証取得はしたものの結局あまり使えないシステムだけが残ってしまう・・・、残念ながらたくさんの会社がそういう状態に陥っています。それらの会社(経験上の推測で言うと、ISO認証取得企業の約3割)は、毎年審査の前になって(仕方なく)バタバタと過去の記録を作って、なんとか審査に間に合わせているというのが現状です。
『楽なISO認証取得』を謳っているコンサル会社の多くは、アフターフォローの実績がほとんどありません。つまり、概ね”型に嵌ったパターン”で認証を取らせたら、その後のフォローの技術は持っていなのです。『イージーに認証を取る』ことがメインテーマですから、長く使える腰の据わったシステム作りはしてくれませんし、おそらくする気もないでしょう。本当は! 認証取得(審査合格)は目的ではなく、むしろ取得(合格)してからが運用のスタートで、取得後にどのようにシステムを活用して会社の役に立てるかがポイントのはずなのに! です。楽に”取得する”こと自体が目的になってしまっている企業やコンサルタントは意外に多いので、皆さんも注意が必要です。
『楽なISO』というのは”既存のパターンに当てはめるだけ”の場合が多いので、最初が(つまり構築する段階の一年目が)楽なだけで、その後の使い勝手については考慮されていません。各会社の個性に合ったオリジナルのシステムではないので、柔軟性もありません。やがて数年後にはISOのシステムが硬直し始めます。毎年同じことの繰り返しでマンネリ化・形骸化してしまうのです。