ISO審査機関の評価
・ ISO審査機関の評価
当社では、毎年ISOの審査機関について(様々な角度から・できるだけ客観的に公平に)評価し、推奨する審査機関を4~5社選定し、お客様からご依頼があれば(評判の良い審査機関を)紹介することとしています。審査機関の情報が欲しい方は、是非当社にお問合せ下さい。
さて、審査機関の評価で皆さんが最も気になるのは、やはり審査料金でしょう。5年ほど前までなら、どこの審査機関に頼んでもISOの審査料金なんてそんなに変わりませんでした。多少料金が高い審査機関はありましたが、それ以外はどこも同じような価格で大幅な差はなかったと思います。
ところが最近かなり差が出てきているようです。外資系の審査機関を中心に価格破壊が進んでいて、以前では考えられなかったような料金を提示する審査機関もあります。一部の審査機関の価格破壊は自然と他の審査機関の価格にも影響を及ぼし始めているようで、これまでほとんど値引きをしなかった審査機関も割引価格を提示するようになってきています。
審査料金が下がること自体は歓迎すべき話です。しかし・・・。審査機関の評価は、価格だけでは決められません。例えば、以下のような(比較検討すべき)要素があります。
①審査料金(旅費・交通費・移動拘束費、などを含む)、②審査及び審査員の質、③事務手続きのシンプルさ、及び事務局の対応の早さ、④(受審組織が位置する地域における)営業所や営業担当の存在、⑤コンプライアンスの状況(例えば、過去に法令違反や営業停止などがあった、系列会社・関係会社にコンサル部門を持っていて審査とコンサルを同時に営業している、など)、⑥審査件数・審査実績(特に、当該“業種”での審査実績、当該“地域”での審査実績)、⑦幅広い業種に対応できるか(例えば医療機関、教育機関、農業関係などに対しては審査できない、というような審査機関は多い)、⑧JAB認定の審査機関であるか否か(例えば建設業では、JAB認定に審査機関の認証でなければ経営事項審査の点数がもらえない、などの不利益を被る場合がある)、⑨様々なマネジメントシステムに対応できるか(将来的に、労働安全マネジメントシステム、食品安全マネジメントシステム、情報セキュリティマネジメントシステム、など別のシステムに挑戦しようとした場合に対応してくれない審査機関は多い)、⑩ISOに関連する各種の研修や教育を提供してくれるか、などなど、それぞれの審査機関で条件が大きく異なります。
細かい話をすると、(上記以外でも)ISO関連の資料や情報を提供してくれるか、コンサルタントの審査への立会いを許してくれるか、日程変更などに柔軟に対応してくれるか、ISO認証取得企業同士の情報交換できるような場を設定してくれているか(例えば管理責任者やISO担当者が集う会合や研修など)、なども審査機関によってかなり差があるのです。
当然ながら審査料金も重要な要素ではありますが、長い目で見ると、倒産や営業停止に陥らない(もちろん法令違反等もしてない)安定した審査機関で、更に“企業の役に立つ”審査をしてくれることが最も重要な『審査機関選択の鍵』ではないでしょうか。
これまで数えきれないほどの企業の審査を目の当たりにしてきました。価格の安い審査機関にお世話になることも高い審査機関にお世話になることもありました。『十分納得できる審査』の場合もありましたし『不必要に細かい点(特に言葉尻など)にこだわる迷惑な審査』の場合もありました。当然ながら、印象の良い審査機関と印象の悪い審査機関に(頭の中で勝手に)識別してしまっています。
しかし・・・。私どもがISO関連の仕事に携わって既に十数年が経過しました。審査機関も(料金体系を含めて)どんどん変化していることは間違いないようです。改めて、審査機関の正確で公平な(過去の印象に縛られることのない)比較検討をすべき時期にきている、と考え、今後は毎年(当社独自で)審査機関の評価を行うこととしました。
評価の結果として(最初にお伝えした通り)現時点で優良と思われる審査機関4~5社を推奨しております。審査機関の選択で迷っていらっしゃる場合は、是非当社にお問合せ下さい。
想像以上の価格差に驚かれるかも知れません。
以上